漢字のとめ・はね・はらいや書き順について、小学校では厳しく指導されていると思いませんか。
はねてないだけで×、はらってないから×、と理不尽な扱いをうけたことがある人も多いかもしれません。
漢字ドリルの宿題を家でやって、翌日提出したら、先生の赤ペンチェックで指摘がたくさんあって、宿題が嫌になってしまった人もいるでしょう。
子供が小学生になって、宿題の丸つけは親がしなければいけなくなりました。私が小学生の頃は親に宿題の丸つけをしてもらった覚えはありません。
子供の宿題の丸つけでは、丁寧に文字が書けているか、とめ・はね・はらいがきちんとできているか、正しいかき順で書かれているか、といったところを細かく見ないといけません。
ぱっと見、正しく書けているようにみえても、とめ・はね・はらいができていなければ、先生の赤ペン指導が入ります。
それを受けて親の丸つけ基準も厳しくなり、できていなければ消しゴムで消して書き直しです。
だんだん険悪なムードになります。子供はやる気がなくなり、親はそれでもやらせようとなります。
毎日宿題の度に親子バトルです。
毎日漢字ドリルの宿題が出ますので、子供にとっては家での勉強=漢字=親にダメ出しばかりされる、となり子供は勉強が嫌になります。
そんな家庭学習に疑問を持つようになった私は、とうとう漢字ドリルの宿題は子供にはさせないようになりました。
とめ・はね・はらいや書き順にそこまでこだわらなければいけないのかと思いました。
こちらのサイトに小学校での漢字指導について、とても参考になる情報があります。
はねてもいいしとめてもいい部分がある、はらってもいいしとめてもいい部分がある、書き順が以前とは変わっている漢字もある、などなど正直驚きの内容です。
私たちが小学生だった30年以上前でもとめ・はね・はらいや書き順は厳しく指導されていましたが、まさかどちらでもいいものがあるなんて・・・
そもそも子供はとめ・はね・はらいの意味も良くわかっていません。
字を書くことに必死、漢字を覚えるのに必死なのに、さらに書き順やとめ・はね・はらいをうるさく言われて、子供はうんざりです。
なぜ小学校の先生はとめ・はね・はらいにあんなに厳しくなるのでしょうか。それによって子供が漢字嫌いになったり、親子バトルになっていると気づいていないのでしょうか。
先にご紹介したサイトでは、親野先生もこうおっしゃっておられます。
私はどうだったかというと、若い頃は「超」がつくほど細かく厳密でした。とめ・はね・はらいだけでなく、書き順についてもそうでした。
そのほうが子どもたちのためになると思っていたからです。
でも、重箱の隅をつつくような過度な厳密さは、子どもたちを漢字嫌いにするだけだということがだんだんわかってきました。いくらがんばっても漢字テストで良い点数が取れないのですから、子どもたちがやる気をなくすのも当たり前です。
そして、あるとき、自分が細かく指導しているとめ・はね・はらいや書き順も絶対的なものではないということを知りました。
(ベネッセ教育情報サイトより引用)
このように気付いてくださる小学校の先生はどれぐらいいらっしゃるのでしょうか。
これは小学校の先生には一般的に周知のことなのでしょうか。それとも知らない先生も多数いらっしゃるのでしょうか。知っていても厳しく指導なさるのでしょうか。
今後は小学校の先生方にもこういった認識が広まることを期待したいと思います。
低学年のあいだは漢字ドリルの宿題は控えたほうがいい
漢字ドリルの宿題では、1つの漢字につき、何回もその漢字を書かされたり、熟語を書かされたり、書いてばかりです。
2人の子供を育てた経験からしか言えませんが、高学年になってある程度物事が理解できるようになってからでも、漢字の書きを覚えたり、とめ・はね・はらいの徹底は十分かなと感じます。
低学年のあいだは、書き順だけは気を付けてと声掛けする程度にとどめ、漢字というものに慣れる程度の学習でもいいのではないでしょうか。
書き順についても、書きやすければある程度の誤差はあってもいいと思うんです。
そんなのゆるい、書き順ははじめに間違えたら間違えたまま覚えてしまって修正が難しいので、最初から徹底して正しい書き順を覚えさせるべき、というご意見もあるかもしれません。私も子供の宿題を見出したころはそう思っていました。でも、人間が便宜的に作ったルール、そこまで徹底的にする必要があるのかな、と今では思います。
低学年の間は漢字ドリルの宿題は控えたほうがいいとは言っていますが、漢字の勉強をする必要ないとは言いません。
お決まりの漢字ドリル学習でなくても、漢字ドリルを使った家庭学習は可能です。
漢字ドリルを使いながら、教科書を見ながら、1文字ずつゆっくり漢字を覚えていけばいいと思います。
お手本の文字をじっくり見る、成り立ちや部首や読み方、送り仮名、そういった部分に注目し、それから一文字書いてみる、その漢字を使った熟語を探して書いてみる、それだけでも十分です。
新しく習った漢字を10回も20回も書く必要なんてないのです。
習ったらすぐに正しく書けないとだめなんて、そんなの無理です。
よく使う漢字はすぐ覚えられます。あまり使わない漢字は覚えられません。大人でもそうじゃないですか。
人間の脳は忘れるようにできています。忘れてあたりまえなのです。
何回も書いたりして覚えなくても、ゆっくり時間をかけて漢字を覚えていけばいいと思います。
家庭学習は、家庭で責任を持つ、親さんの覚悟大事ですよ。