ゆるゆる家庭学習であっても、なんでも有り、ダラダラのんびり、というわけではありません。
ゆるゆる家庭学習の目的は、「自学できる」ようになることです。
中学生以降はこの自学できるかどうかというところが、その先の進路に影響を与えると考えます。
そしてその目的を達成するために、具体的に「どうするか、何をして何をしないか」ということを明確にする必要があります。
「しないこと」も明確にする
家庭の教育方針を考える時、どんな家庭学習をするか、どんな習い事をするか、何をどのようにしていくか、と「する」ことばかりに考えが偏りがちですが、では、「しないこと」を十分に検討して決めたことがあるご家庭はどれぐらいあるでしょうか?
学習内容においても、何をして、何をしないと慎重に考えたことがあるでしょうか?
溢れかえる情報から、〇〇の問題集をやるといい、と聞けばその問題集を買い与え、△△のおけいこが良いと聞けばそこへ行き、みんな持っているから、という安易な考えで物を与えてはいないでしょうか。
それが悪いことだとは言いません。ただ、そうする前に、それをすることによってどのような影響が出るか、何かに被害は出るか、と言った視点からも考える必要があるのではないでしょうか。
テレビやゲーム
テレビはゲームは中毒性があることは、もう誰もが知っていることだと思います。
しかし、どれだけの子供がテレビやゲームに、自制心をもって接しているでしょうか。
子供に自制心を持て、というのは難しいことです。
大人だって、何もやることが無い休日に、1日テレビを見て過ごしてしまった、ゲームをしてたらあっという間に時間がたってしまったという経験をした人はたくさんいるはずです。
今は録画器でたくさん録画できるので、好きな番組が見放題です。ボタン一つで同じ番組を何度も見ることができます。
テレビを見ながら携帯ゲームをする子もいるでしょう。
誰も見ていなくてもテレビがつきっぱなしかもしれません。
我が家の子供達は、テレビはほとんど見ませんし、ゲームはほとんど全くと言っていいほどしません。ゲームを使うのは、年に2、3回カラオケをする程度でしょうか。
親も子供の前ではテレビを見ないようにしています。見たい番組がある場合は、録画して子供がいないときに見ます。
家にはゲームもありますが、そういう状況ですので、ゲームはいつも電池切れです。
小さい時は不満もあったかもしれませんが、今ではそれが当たり前ですので、何とも思ってないようです。
娘が小学生の時は、クラスで3DSを持っていないのは娘とその他に1人か2人いるかいないかぐらいでした。それぐらい「みんな」持っているのですね。女の子でも、誕生日やクリスマスプレゼントがゲームのソフトだったようです。
放課後など遊ぶ時は、ゲームを持っていない娘を気遣って、ゲーム以外の遊びをしてくれたようです。
5年生になって携帯ゲーム機を購入しましたが(我が家では5年生になったら自分のお小遣いでゲームを買っても良いというルールでした。)、ゲームをしたのは最初のうちだけで、半年ほどたった頃には存在すら忘れらていました。
男の子は特に話題がゲームばかりで、ゲームを持っていない息子はただウンウンと聞いているだけだったようです。あるいは、その時流行っているお笑い芸人のネタで盛り上がることもあるようですが、うちの子はその芸人のそのネタを見たことが無い状態です。友達がやっていることをマネているだけ、ということになりますが、それでも問題無いようです。時々はYouTubeなどで見せてあげることもあります。
息子は5年生になった今でもゲーム機は購入していません。必要ないそうです。
ゲームが無いと仲間外れにされるかもしれないと思う親さんもおられるかもしれません。我が家がたまたま運良く乗り切れただけで、実際にそういう経験をされた方もおられるかもしれません。
それでも、親として強い意思を持ってください。
テレビやゲームは「ここまでならOK」というルールが守られにくいです。
1日1時間まで、とか宿題をやってからならOKなどと、家庭のルールを決めているおうちもあると思いますが、そのルールが完璧に守られていることはあるでしょうか。
守れないルールなら最初からつくらない方が賢明です。
四六時中親が監視しコントロールするわけにもいきません。
まわりのママさんに聞いても、みなさん安易にゲーム機を与えたことを後悔されています。ゲームを取り上げた、とか、ゲーム機を隠したとか、頻繁に耳にします。
そこまでしなければならない物なら、最初から与えなければいいのです。
読書
読書が良いからといって、読書だったら何でもいい、際限なく読んでもいい、というわけでもありません。
読書も中毒性がありますので、要注意です。読書しすぎで寝不足になる、ということも多々あります。大人でもです。
また、現実から逃避するために読書に逃げる、ということも考えられますので、お子さんに注意が必要です。
何はさておき読書優先、ということにならないように親さんの見守りが必要だと思います。
我が家では毎週のように図書館へ行きますが、借りていいのは一人1冊または2冊です。以前は貸出上限まで一人ずつ借りることもありましたが、あればあるだけ読んでしまうので、今はその時により、1冊または2冊までと決めています。市立図書館ですがマンガもあり、マンガでもOKです。長期休みの時はもう少し多く借りることもあります。学校でも毎日1冊借りてきます。
あまりにも読書にはまっているという状況には、ならないようにしなければなりません。
お稽古事
毎日違うお稽古事をして、一週間のうちで何も予定がない日がないというお子さんもいるようですが、暇な時間がない、というのは小学生の子供にとっては危険だと思います。
次から次へとスケジュールをこなすことに精一杯で、じっくり何かを考える時間がない、時間に追われる大人のような毎日を過ごすお子さんは、暇な時間の過ごし方が苦手です。
ぼっーとしてるぐらいなら、何かやって欲しいと親も思うかもしれません。
大人の都合で、暇な時間が出来ないように、習い事で時間を埋めたりしないであげてください。
貴重な「子供の時間」を有効に使う
成長期の子供時代の時間は、とても貴重です。
そのことを大人があまり真剣に考えていないような気がするのが残念です。
日本は物が売れないと経済が回らないので、企業はなんとか物を売ろう、消費させようとします。子供のいる家庭はそんな経済活動のターゲットになりやすいのです。
テレビ番組もそうですし、おもちゃやゲームもそうです。
ちょっとだけ立ち止まって、考えていただきたいと思います。
テレビもゲームも、その物自体は悪いことではありません。
テレビを見たりゲームをすることで、子供時代の大事な時間が失われることの無いように大人が気を付けなければなりません。
みんな持ってるから、みんな見てるから、みんなやってるから、と安易に与えてしまわないよう、立ち止まって考えてください。
子供の時にしか経験できないことがたくさんあります。その時間をテレビやゲームに奪われてしまうことは、本当にもったいないことだと思います。
テレビやゲームをまったく無しにしたほうがいいとは言いません。そのご家庭ごとで決めていただいたら良いのです。
ただし、与えるときは覚悟を決める、親はぶれない態度で接する、ということが大事です。
ご家庭の方針で、することばかりでなく、何かを「しない」と決めることも大切なことなのです。