初心者の英語学習には、「聞くこと」に重点を置くべきとお伝えしています。
日本人は英語が話せないと嘆く前に、日本人は英語が聞き取れないことのほうを嘆くべきではないでしょうか。
聞き取れないから話せないんです。
学校教育でも、圧倒的に聞く量が不足しています。
そもそも、中学や高校で先生が発する以外の英語の音声を、時間をかけてまともに聞く機会って、ほとんどないのではないでしょうか。それぐらい英語のリスニングは自主的に行わないと、やらないで済んでしまうのです。
聞き流し教材をおすすめしているわけではありません。聞くだけで英語が話せるようにはまずなりません。
リスニング対策の音声を聞けばいいというわけでもありません。
英語のリスニングの重要性
聞いたことない音声は、聞き取れない
私自身が高校2年生の時、オーストラリアに2週間ほど行き、そのうち1週間ほど現地の一般家庭にホームステイしました。
高校が英語科だったといえども、ろくに会話もできないレベルでしたし、オーストラリア特有の発音やなまりもあって、コミュニケーションは楽々ではありませんでした。
ホストファミリーは何度もホストとして受け入れをしたことがある家庭だったので、英語に不自由な日本人の高校生にはなれているようで、根気よくわかりやすく話してくれていました。
それでも、衝撃的だったのは、McDonald’sやMadonnaが全く聞き取れなかったことです。見ればすぐにわかる単語です。何度聞いてもわからなくて、最終的に紙に書いた文字を見てわかった次第です。
「McDonald’s」はマッドーナーる、「Madonna」はマッダーンナでした。
和製英語に慣れてしまっていたのと、ネイティブの発音で「McDonald’s」や「Madonna」は耳にしたことがなかったのです。
どんなに読めても書けても音声を聞いたことない言葉ってなかなか聞き取れません。
英語科で英語音声を耳にする機会が多かったとしても、当時はまだまだ英語の音声教材が入手しにくい時代でしたので、「聞く」訓練は圧倒的に時間が少なかったのです。
まずはテキスト教材の音声から慣れる
英語を勉強しはじめたばかりの中学生や初心者はまず、基礎的な力をつけなければなりませんし、基礎にも下地が必要となってきます。最初は初心者向けのテキストの音声で十分です。
基礎英語1年目で聞くだけに集中して欲しいのは、耳から聞く「英語の正しい音声」にまずなれるということから始めて欲しいからです。そして「聞く」という学習を習慣づけて欲しいのです。
音から文字に変換する(聞いて読む)ほうになれてから、文字から音に変換する(読んでから言う)ようにすると、その後の英語学習でも楽になりますので、どんな教材を使用するにしても、正しい英語音声を聞くことができる教材を選んでください。
そして短時間でも「毎日聞くことができる」教材がおすすめです。
私が基礎英語をおすすめしているのは、それほどコストをかけず気軽に入手できる音声教材があり、毎日継続しやすいカリキュラムになっているからです。
それから、本文の会話の内容が日常からかけ離れていないところもいいです。
英語のテキストって、こんなシチュエーションなかなかないよね、っていう状況設定が多いので、その点、基礎英語はストーリーそのものはちょっとありえないところもありますが、会話の内容が現実的かなと思います。
実際に私が高校生の時の英会話の授業のテキストは、イギリスで発行されたテキストでしたが、高校生には馴染みのない、車の燃費がどうの…みたいな会話文でした。30年近く前のことなので、現状とはだいぶ変わっているとは思いますが、やはり英語の教材に変な例文は多いです。
(追記)
基礎英語のCD付きテキストやダウンロード音声を購入したくないけど、何度も音声を聞きたい場合はこのような方法もありますので、ご参考になさってください。
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教科書的なきれいな音声ばかりはダメ
現在は、豊富な音声教材が簡単に入手できます。CD付きの本、ダウンロード音声、YouTube動画、ネット配信される海外のテレビや映画、英語のニュースが聞けるスマホアプリなどなど、高いお金を出して購入しなくても、無料で聞くこともできます。
教科書的な音声になれたら、YouTubeや海外ドラマなどで、実際の会話スピードや言葉遣いなどにふれるべきです。
日本語だってそうですが、アナウンサーの人の話し方をふだんの会話でする人はいませんよね。生の話し方や言葉遣いを理解しないと、実際の会話ではアナウンサーの話し方はあまり適切ではありません。
英語もそうです。日本だって東北と九州の人たちの話し方が違うように、アメリカでもニューヨークとハワイでは同じ英語とは思えないぐらい現地の人の話し方は異なります。
英語を母国語としない人と英語で会話する場合は、その人の母国語も英語の話し方に影響します。日本人だったら英語を話すときにも日本語の影響を少なからず受けています。
言語によるコミュニケーションは、そういった「背景」にも慣れないといけないのです。そしてそれは経験するしか方法がありません。
時間をかければそれだけ強みになる
言語習得は適切な方法である程度の時間をかければ、確実に力がつきます。多少個人差もあるかもしれませんが、1000時間なら1000時間、2000時間なら2000時間かけただけの力がつきます。
テキストを読む、単語を覚えるよりもまずは「リスニング」にもっと時間をかけてください。いろんな種類、ジャンルの音声を聞いてください。