幼児期から英語教育は必要?どんな教材がおすすめ?

最近では、未就園児対象の英語教室もあるそうです。

幼児向けの家庭英語教材も今はたくさん種類がでていますね。(胎児からの教材もあるとか!)

幼稚園でも外国人の先生の英語レッスンがあったりしますし、私が住んでいる田舎の市でも数年前から、保育時間中はすべて英語を話すようないわゆるインターナショナル幼稚園がいくつか存在するようになりました。

大学入試改革によって、英会話の必要性が重要視されるようになり、早期英語教育に拍車がかかっているかもしれません。

英語が苦手な保護者は、子供には英語で苦労してほしくないから、少しでも早いうちから英語に触れさせたい、慣れさせたいと思うかもしれません。

英語が得意な保護者もやはり、英語の重要性を感じているので、少しでも得意になるように早いうちから英語の習得を進めた方がいいと考えるかもしれません。

私も実は、以前はそう考えていました。幼児期から英語学習を始めた方が良いと。

しかし、今ではそうは思っていません。

スポンサーリンク

日本で教育を受け、日本語の社会で生活する場合は、早期英語教育は必要なし

唐突ですが、結論です。

<理由>

  1. 時間がかかる割に効果が出にくい
  2. コストがかかる割に効果は低い
  3. 親の負担が多大
  4. 子供のエネルギーを浪費

上記のように、親の負担が大きく、無駄が多い、ということです。

1.時間がかかる割に効果が出にくい

時間をかけても思うほどの効果は得られません。

幼児期に毎日1時間、英語学習をしたとしても、その他の10時間以上日本語で生活するなら、期待できるほどの効果は得られないと思います。

【年間300時間×幼児期数年】を英語教育に費やして得られる効果は、成長してから学習を開始した場合に得られる効果と比較すると、成長してからの場合は同じ時間を費やす必要は全くありません。

おそらくその数分の1程度(3分の1か5分の1か、10分の1かも)の学習時間で同等の効果が得られるでしょう。

つまり、ある程度成長してから英語学習を始めても、幼児期よりも短時間で同じだけの効果は得られるのです。

幼児期から英語の音に慣れ親しまないと、英語を聞く力が養われないなどと言われたりもしますが、そんなことはありません。

幼児期に英語の童謡をたくさん聞いて歌えるようになったからといって、英語が話せるようになる訳ではありません。

多少発音が良くなるぐらいでしょうか。それも成長してからの学習でいくらでも可能なレベルです。

2.コストがかかる割に効果が低い

特に幼児期は、つい子供のためになるなら、といって子供の教育費に大金をつぎこみやすい傾向があるようです。

幼児期から習い事をかけもちして、月に何万円もかけているご家庭もあります。

月2万でも、年間で24万、3年で72万とかなりの高額です。

お子さんが複数いる場合は、この倍額以上かもしれません。

その中で、英語教室や英語教材というのは、幼児期の学習としては、手っ取り早い、子供も楽しめる、と安易に考えてしまいがちですが、しょせん暇つぶし程度にしかなりません。

暇つぶしに年間10万円を消費しているということです。

大人だったら年間10万円もコストをかけて何かをするというとき、冷静にそのコストに対して見合う効果が得られるか良く考えるはずです。

幼児期は当然すぐに目立って見える効果は出ませんが、子供の将来のため、などといったあやふやな理由でいとも簡単に大金をかけてしまえるのです。

そして、みんなやっているから、ということもあって自分の子はやっていなかったら遅れてついて行けないかもしれない、といった不確定な不安要素にも付きまとわれてしまいます。

親の不安を少しでも軽減するために、大金をつぎ込むべきかどうか、よく考えなければならないところだと思います。

3.親の負担が多大

幼児期からの親子英語、などと言われる通り、幼児期の英語学習は親の負担が特に大きいです。

すべて親がリードして、毎日の生活に英語を溶け込ませないといけません。

毎日英語で話しかけ、おもちゃをつかい、子供自身から英語を引き出さなければなりません。

日本語もおぼつかない幼児に、英語を言わせるのですから、それはもう親の指導力が中途半端では続きません。

両親が英語ネイティブ並の日本人とか、親のどちらかが英語ネイティブでなければ日常生活で英語を話すということは、並大抵の努力では成しえないでしょう。

これは、ある程度英語が話せる親なら簡単だと思いがちですが(実際、私自身がそうでした)、親の負担というものは、想像を絶するものです。

ある意味、英語ができる親への罠とも言えるでしょうか。

4.子供のエネルギーを無駄に消費

子供の時代は、毎日の生活そのものすべてが学習です。幼児期は毎日何かを習得していると言っても過言ではありません。

幼児期から英語教育をするということは、そのぶん他の何かの時間を削ることになります。

英語の習得はその時間を削ってまでもするようなことではありません。

幼児期にはもっと他に必要な親子の触れ合いがあるはずです。

それを無駄な英語学習で浪費してしまうのは、もったいないと思います。

幼児期におすすめの英語教材はありません

上記の理由から、私がすすめたいと思う幼児向けの英語教材はありません

子供に少しでも英語にふれさせたいと考えたとき、家庭で使える英語教材を検討するかもしれません。

家庭英語教材は確かに良く考えられたすばらしい教材です。

その教材をボロボロになるまで使いこなすことができれば、お子さんはネイティブ並みに話すことができるかもしれません。

しかし、家庭でその教材を使いこなすには、親は家事を放棄して、すべての時間を子供の英語教育にささげないと無理でしょう。

子育てを経験された方ならわかると思いますが、専業主婦でも、子供と真剣に向き合える時間は、1日のうちでそんなに長くはありません。

時間をうまくやりくりしても多くて、午前2時間、午後2時間程度といったところでしょうか。

その時間をすべて英語教育にあてる、毎日家に引きこもって教材を活用する、というぐらいでなければ幼児期の英語習得は叶いません。

ただ単に毎日DVDを見せて、CDをかけ流しても、ほとんど意味がないと言ってもいいでしょう。

英語教材を活用できるかどうかは、親のかかわり方にかかっています。

教材を活用して、親が英語で話しかけたり、コミュニケーションをとるということが前提です。

しかし、貴重な親子の触れ合いの時間を英語教材ですべて使うことができるでしょうか。

おそらく一般家庭では無理ではないでしょうか。

実家で親と同居していたり、お手伝いさんがいて食事作りなどの家事は全ておまかせのセレブ奥さまだったら可能かもしれません。

そして、逆に言えば、親が英語で話しかけたり、コミュニケーションがとれるぐらいのレベルなら、英語教材に頼る必要はありません。

そして、そのコミュニケーションは幼児期のみならず、子供が成長するまでずっと続けなければ意味がありません。

両親ともに日本で育った日本人で、日本で生活をしながら早期英語教育を施して、子供が英語をネイティブスピーカーレベルにまで話せるようにするには、想像を絶する努力と時間が必要です。

小学生になってからも、中学生になってからも継続しなければ、英語の力は一気に下がってしまいます。

小学生になったら、1日のうち親子が触れ合える時間なんてほんの少しです。

24時間のうち、ほとんどを日本語で生活するようになると、英語力をずっと維持するのはよほどの強い意思がなければ難しいでしょう。

英語が上達するカギは、コミュニケーションの多さによるといっても過言ではありません。

英語をコミュニケーションの手段として普段から使わなければ、どんなに幼児期から英語教材を使用しても意味がないと実感しています。

何のために英語を習得するか、考えてみれば、おのずと結論は出てきます。

英語を学習する目的を明確にすること

英語習得の目的=英語でコミュニケーションをとること、ですので、幼児期からの英語教育は全く不要であると言えます。

日本人ですから、英語のネイティブスピーカーになる必要はないのです。

自分の言いたいことを英語で表現して、相手に伝えることができれば、英語を習得したといえると考えれば、発音や英語の音の聞き取りよりも大事なことが見えてくるのではないでしょうか。

そう考えると、10歳頃から英語学習をスタートしても、適切な方法であれば決して遅くはありません。(私のおすすめ学習方法はもちろんNHKラジオ講座の基礎英語です。)

幼児期からの英語教育は、子供のためではなく、親の不安解消の要素が大きいと思います。

そのために無駄な費用や時間を浪費するのではなく、その費用や時間をもっと有意義なことに使ってください。

もしどうしても幼少期から英語に親しみを持たせたい、ということであれば、お子さんの目の前で親さんが基礎英語で英語の勉強をしてください。

ただ、お子さんがその気になるまで親さんが基礎英語での英語学習を継続すれば、おのずとお子さん自身がある程度の年齢になって英語の勉強をしたいと言い出すでしょう。その時に、お子さんに基礎英語をすすめてください。きっと楽しんで英語学習をスタートするでしょう。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする